20190510e

副住職の唯真です。

当山からみて目の前にあります、
浄土宗の善導寺さまの仁王像は
「赤い前掛け」をしています。
(参照過去記事:「高田寺町お寺散歩-『善導寺』」

20190510f

20190510c

20190510e

20190510d

これは新潟県や長野県、東北地方に
みられる仁王像の特徴であるといい、
この筋骨隆々の仁王さまに、
赤ちゃんが身に着ける「赤い前掛け」が
付けられていることに昔から不思議だなあと
思っておりました。

そこで今回、改めてこのことに
ついて考えてみました。

他に赤い前掛けをしている仏像というと、
お地蔵さまが連想されます。

そのようなお姿のお地蔵さまの石仏を、
道端やお寺で目にすることがありますね。

お地蔵さまは子供を救う仏さまとして
知られています。

そうした関連性から、お地蔵さまは
赤子を表す赤い前掛けを身に着けて
いると思われます。

では、仁王さまの赤い前掛けは
どうでしょう。

これは日本各地に

「仁王さまの股くぐり」

という風習があるようで、
そのことに関係しているのでは
と思うようになりました。

子供が仁王さまの股をくぐると、
健やかに育つと伝えられているそうで、
そこには

「子供を救う存在」

としての仁王イメージがみてとれます。

煩悩や魔を払う、筋骨隆々の力強い
仁王さまのご利益として、子供の無病息災が
期待されたのではないでしょうか。

その結果、新潟といった一部地域では、
仁王像に子供の無事を託すという祈りのもと、
赤子を象徴する「赤い前掛」けが付けられたの
かもしれません。

人々の祈りが仏像のその造形には
表れていると思います。

新潟といった厳しい雪国の地域では、
昔から子供が無事に育ってくれる、
そのことが切実に求められていたの
ではないでしょうか。

そしてその加護を人々は仁王さまに
祈った。

その祈りのかたちが、あの「赤い前掛け」
として表れているのではないでしょうか。

合掌